昨日は比較的に近い金属加工屋さんからジュラコン製品に印刷出来ますか?と言う問い合わせが有りました。ジュラコンはポリアセタール樹脂とも言い、この樹脂に密着するインキは印刷業界にはありません。通常印刷不能と言われてますが、当社には過去に何種類かの印刷を請けてやっていた経験が有ります。
 警察などで免許更新の時、検眼機でリングの欠けた部分が上、下、右、左と答える検査が有りますが、大きいリングから小さなリングが映りだされますが、これらはポリアセタール樹脂で成形された歯車になっています。我が社ではその白い歯車の平らな部分に大小のリングを印刷していたことが有ります。
 ジュラコン樹脂は耐久性に優れていて、歯車が摩耗する事が有りません、金属のようにすり減る事によるゴミも出ません。対有機性にも優れていて潤滑油など全く必要とはしません。ですから印刷インキが無いと言う事になっていますが、私はインキが密着する方法を開発しています。ただ面白くないのは例えば検眼機が古くなってもポリアセタール樹脂は摩耗もしないので、金属機械部分はリニューアルしても歯車は何年も再利用できるのでリピート注文と言うのが有りません。それが面白くない仕事になってしまうのです。
 それが今回自社製品にシリアル番号を印刷して欲しいと言うのですが、一部品に1版消費してしまうので版代が大変なことになってしまうのではないかと思うと言ったら、それでも印刷テストをして欲しいと言うのでやってみる事にしました。
 別のアルミ部品には「なんでもくん」で硬化剤を入れて印刷したので時間が経てば絶対落ちないものになるだろうとテスト印刷をして差し上げた。
 この方は私が「機械要素展」で足立ブランドとして出展した時に我が社を見かけたらしかった。私が何にでも印刷が出来てしまうから「なんでもくん」と命名したと言うのを聞いていたのだろうと思う。今日はジュラコン製品に上手くインキが密着するかテストしようと思っている。過去に成功した私の秘術が花咲くかどうか、私の胸も躍っている。成功すれば良い仕事になるのではないかと思う。