AIが発達するにしたがって無くなる仕事が今後10年間で50%近くあると言われている。この2年間でもかなりの仕事が無くなるとあるサイトで見た、週刊誌でも特集していたが、例えば電車の運転手、スーパーマーケットのレジ係、通訳・速記・ワープロ入力、プログラマー、新聞配達員、郵便配達員、レンタルビデオ、ガソリンスタンド、高速道路の料金徴収業務、仲卸業者、金型職人等々30以上の職業が掲載されていた。
 時代の変化に伴って無くなる職業、仕事があるのは必定のことと思っています。私が子供の頃の終戦直後は日本の生産設備全てがアメリカに破壊され、生産が再開されるまでしばらく時間が掛かった。
 タバコなども紙巻きたばこが専売公社でも出来なくて、刻みタバコと紙が別々に配給されていた。配給のタバコを買うのに近くの煙草屋に並ぶのが子供の私の役目になっていた。煙草屋の倅が今日は此処までと言って数量制限もあった。私の目の前で終わってしまって残念に思ったことも時にはあった。
 刻んだタバコが主流だったせいか、羅宇屋(らおや)と言ってキセルを掃除する仕事が有り、外で来たよとピーピーと蒸気で音を鳴らし、知らせていた。
 キセルは真鍮の雁首と竹の管と吸い口となっていて、タバコのヤニが詰まって吸えなくなるのを蒸気で掃除する仕事が羅宇屋だった。専売公社が巻きたばこを販売するようにまで、刻みタバコを紙に巻くのが私の仕事になってしまった。その時石油ランプの火屋を掃除するのも私の役目になった。電力が足らなく時々停電するので、石油ランプやカーバイトランプを夜は使わざるを得なかった。専売公社が巻きたばこを販売するようになったら羅宇屋と言う仕事は消えた。
 焼け跡から拾ってきた鍋や鎌などを修理する鋳掛屋(いかけや)と言うのもあった。大きな声で(イカケやー いかけー)と声を上げて歩いて来た。穴の開いた鍋や釜、凸凹に変形しているのを綺麗に直してしまう。1軒声をかけると近所の人が皆何らかを持ち寄り繁盛していた。子供の私は見ているとその技術に憧れた、小学校に上がって将来どんな仕事をするかと問われた時、鋳掛屋になりたいと作文に書いたのを思い出す。その鋳掛屋と言う仕事も物が作られようになったら姿を消した。
 焼け跡は穿り出すと色んなものが出て来る、それらで色んな物を造ってそれらを大人に褒められた。隣の親父さんにおもちゃを造ったら褒められ、大きくなったらおじさんとオモチャ工場をやらないかと言われたのが、私のもづくりに対する憧れが脳裏に焼き付いてしまった。
 戦後まもなく私の兄が紙芝居作家の筆書きしたものに色を付ける彩色の仕事を始めた。兄の彩色が評判高く、有名作家をはじめ何人もの作家の絵に色を付ける仕事で、全国を回る紙芝居のほとんどが我が家を通じて出て行っていた。
 姉が色付けし、兄が仕上げをする。人気の黄金バットの代文字や仮面に金色を塗るのは私も手伝った。後年有名になった挿絵画家や漫画家なども我が家に来ていたので私はいつも使いっ走りをさせられた。
 我が家に来る絵描きや編集者などには喫煙者が多くと言うより皆タバコを吸っていた。私の兄もヘビースモーカーで、我が家の中心に大きな火鉢が有り練炭が一日中付いていて湯や煮物にも使われていた。その練炭で兄のタバコに火をつけるのが私の役目にもなってしまっていた。とにかく何もしてないのは子供の私だけで、とにかく何でもやらされていた。練炭火鉢でタバコに火をつけるにはタバコをキセルの雁首に立て、練炭の火穴から火を取るには吸わなければ火が付かない、だから私は子供の時から少しはタバコを吸っていたのかも知れない。
 いつも我が家には大勢の大人が居て、皆タバコを吸う、私などその副流煙の中で育ったと言っても良いのかとも思う。昭和30年頃まで紙芝居は流行っていたが、テレビの出現で紙芝居は廃れてしまった。紙芝居の時代には随分稼いでいたと思うが、当時食えない絵描きの卵や食えない役者、売れない漫才師などいつも食事時間頃には来る。私の母親は江戸っ子そのもので、その日稼いだ金を使い果たしてしまうのも気にせず蓄財と言う事をしなかった。紙芝居が終わったら貧乏暮らしになってしまったが、一向気にしない楽天家だった。
 紙芝居と言う仕事も姿を消したが、紙芝居作家の中には後年劇画がの人気作家になった人たちが何人もいる。忍者武芸帳や子連れ狼など、ゲゲゲの鬼太郎の作者が皆紙芝居を書いたり関わっていた。
 AIの出現が第4次産業革命とも言われ産業構造の変化が多くの仕事がロボットに変わり無くなって行くだろうが、無くならない仕事も多々ある。ビジネスでも必ずお客さんの心を動かしているもの、人の感情を大切にするビジネスは無くならないだろう。AIには感情と言うものは無いからだと言われている。人が頭でフッと思い付くことがあるがAIにはそれが無い、人の脳には本能が有り、頭に悪い7つの習慣を無くせば思い付くことや新しい発想も出来ることになる。マイナスイメージを持たない脳が必要になってなってくる。