今週は「なんでもくん」ユーザーから「なんでもくん」の追加注文が続いている。「なんでもくんANG-3」を2台出荷した所や「なんでもくんANG-3」のユーザーが「なんでもくんANG-4」を追加注文して来たりしている。
 事情を聴いてみると仕事量が増えているので台数を増やしたいとか、今やっている仕事の印刷面積を広げたいと特注で大きなパッドも注文を受けている。
 消耗品の注文の増えているところも増えています。それだけ「なんでもくん」を有効に活用している企業が増えていると感じてますが、パッド印刷の伝道師としては嬉しい事です。
 連日のようにパッド印刷の見積依頼や試作依頼もあります。概ね少量のものが多いですが、時には大量のパッド印刷の受注を依頼する所もありますが、あまり多いと人手不足に陥り請けかねる場合もあります。
 今や少量多品種の物への印刷需要は増え続けています。中にはシルクスクリーン印刷でこなすことが出来るものもあります。パッド印刷でなければ印刷が無理と言うものが多いのも現実です。昨年世界最小の広告と称して米粒に印刷する仕事を受けましたが、これなどパッド印刷である「なんでもくん」が無かったら実現できない仕事だったのです。高性能のインキジェットプリンターも開発されていますが、ローテクのアナログ技術でなければ対応できない印刷も多い現実があります。
 今世の中で知らない人が無いくらい有名なインキジェットプリンターのメーカーから注文を受けているものが有ります。先日ミクロン単位のドット印刷を確かめ来た時、有り版だったがその印刷が出来る事を知って注文して来たのです。ミクロン単位の画像は市販されているプリンターでは無理です。その版を作るためにフィルム製版が必要でその印刷パターンを工業写真屋に送り、見積もりを依頼しております。
 高い精度を要求する高精細な印刷はパッド印刷でなければ無理です、その印刷が出来てしまうのが「なんでもくん」です。先月は6大学で有名な大学の理工学部へ「なんでもくん」一式を収めましたが、導電インキの注文が入りました。極精細なプリント回路を印刷したいのではないかと思います。
 昨日は東京都中小企業振興公社の方3人がお見えになって取材をされました。私が何故「なんでもくん」を開発するに至ったかを質問され、私が11年ほど前に今では独立法人になっている東京産業技術研究センターの主催する「東京デザイン創造塾」に参加して開発製品として「なんでもくん」を発表したことも話し、その時から「なんでもくん」を発売するに至った経緯も話した。今でもその「なんでもくん」は産技研の城東支所のショーウィンドウに飾ってあると言ってました。
 私はその創造塾で色んなデザインの先生方々の講義を聞きましたが、実践的な講義をする大塚講師は本物だと感じました。中でも大塚先生が講義中に話した佐藤一斎の言葉「一灯を下げて暗夜を行く、暗夜を憂うるなかれ、ただ一灯をたのめ」が強く印象に残ってます。一灯とは何かそれは自分の信念だと言う事です。佐藤一斎と言う儒学者は明治維新で活躍した人たちに大きく影響した人だったと聞いてます。
 それで大塚先生を足立区に引っ張ってきました、それが今足立区で毎年開催されている「あだち新製品開発講座」の始まりになったのです。私も副講師として今年は10年目になります。
 今やまさに先の分からない暗夜と言って良いだろうと思う、先の読めない時代の変化に迷う人も多いだろと思いますが、それこそ一灯、自分の信念を貫く時が来ているのだと思う。
 中小企業振興公社の方は私に3月にあるセミナーを企画しているので講演して欲しいと言う事だった。