土曜日は最初に「なんでもくん」レクチャーをしたのは金属加工が得意な方でオリジナルの薪割り機を預かっていた人だった。お二人には印刷する方法を説明して十分納得して頂いた。
 ところが彼らが今一番売り込みたいものは薪割り機でなくユニークな自転車の駐輪機だった。これは横浜の煉瓦街に採用されそれなりの評価を受けたようだった。狭いスペースにどんなタイプの自転車でも駐輪出来る従来には見られないユニークなもので、スマホの写真を見せて貰ったが、ハンドル部分をで吊り下げる事で整然と並べられている。
 その駐輪機スタンドに印刷がしたいと言うので、既に設置されているものには「どこでもくん」で印刷が出来ると知って大喜び。ステッカーを張っているよりはるかに丈夫で長持ちする。
 この駐輪機は雑然と駐輪されると困る場所や今までは思いも付かなかったような所に駐輪されることにもなる。金属加工で十分のアイデアを十分に活かし、人の世に役立つものを創り出す、素晴らしい能力だと思う。私の「なんでもくん」や「どこでもくん」のアイデアを誉めそやして頂いたが、この方のアイデアにも感嘆する。
 そこに次の訪問者が見えたが、製版するところを両者に見てもらった。製版方法は十分に理解してもらった。
 金属加工屋さんがお帰りになった後はお洒落な工具類をネット販売している人だった。一見すると玩具の熊さんのような置物だが、頭部と脚部を外すとドライバーセットになっており、家庭で使うようなサイズのドライバー数本もセットになっている。その腹部に自社ロゴを印刷するのだが、ロゴサイズが大きすぎるのが分かってロゴの大きさを左右5ミリほど詰めることにしたので、受け治具も作り変えることにし、治具を乾燥機に入れて固めるその間に昼食をするために近くの蕎麦屋に出かけた。
 版も治具も作り変えたために印刷は腹部に綺麗にできるのが分かった。そうしたら熊のドライバー30個以上も持って来ていた。インキの濃度調整をするとムラなく印刷ができる。それも飲み込み自分で印刷が出来ることが身に付いた。「なんでもくん」研修と言うより貸工場のような様子になってしまった。その他にも置物がハンマーになってしまうものや他のものは何に変身するのか見てみたかったが、それらにもロゴ印刷ができることが確認できたようだった。
 どこかの会社に属しているのかと思ったら、自分一人で中国に行き、仕入れてネット販売をする。現代の若者を象徴するような人だった。帰りには「元気源」を家族分だけの即数を購入してくれた。貸工場代の代わりに購入されたのだと思う。私が休日を返上して印刷を手伝った事にも感謝してくれた。「なんでもくん」を購入して全ての商品に名入れ印刷が出来る事にも自信を持てたろうと思う。印刷があることで商品価値が上がることも知っているようだった。
 2組のお客さんが喜んでくれた事が私の喜びになっている。新しい「なんでもくん」ユーザーが増える、パッド印刷の伝道師としての喜びも味わえる休日だった。