昨日は10時過ぎに三条燕からお出での方がアポ通りにお見えになって送ってきてあった包丁に「なんでもくん」での2色の印刷のレクチャーは順調に運んだ。版も受け治具も2色のインキも前もって作っておいたので、直ぐに印刷に取り掛かった。位置合わせや印刷の仕方は私が一通りやって見せ、私がやった通りに本番はご自分でやってもらったが、綺麗に印刷が出来るので驚いていた。
 1色目を終えたら版やインキ返しやドクターブレードの洗浄の仕方も教えた。版替えもワンタッチでできるのが「なんでもくん」の特徴で、色を変えて二色目の位置合わせも見てもらった。二色目も自分で印刷してもらったがこれも綺麗に印刷できた。
 指触乾燥はほんの数秒で済む、次の色を印刷するのもすぐ取り掛かれる。しばらく置いておいたが、完成品として持ち帰るのにも箱に入れが出来るので簡単だった。
 版のつくり方も一応見てもらったが、版は当社で作って欲しいというので製版システムは買わずに当社が製版をすることになった。息子さんも独立して別会社を立ち上げているのでそちらにも「なんでもくん」は必要だと思う、息子にぜひ見せたいと言っていた。
 包丁の刃に波紋があるのも謂れを聞いて理解できた。帰りには西新井大師に行って見たいと言うので山門前まで送って差し上げた。想像していた通り気さくでしかも豪快な人で、売る技術に長けていて教わることも多そうだ。またまた素晴らしい人と巡り会ったと感じている。
 午後は葛飾のものづくりのグループが4人ほど見えて娘が受け入れ賑わっていたが、それをよそに家内は大企業と製版の納期問題のやり取りで大変だった。
 何年か前までその大企業とは直接取引をしていたが、その大企業の納品方法が変わり、取引先すべてを集めて納品方法をレクチャーをするので参加して欲しいと言われたことがあった。その頃には取引量も細ってきていたので、わざわざ兵庫の山奥まで足を運ぶのも面倒なので断ってしまった。口座はとっくに消えていると思っていたが、最近、我が社が付き合っている大事な顧客を窓口にして注文を入るれてくるようになっていた。
 今回は古い版だが、大特急で製版して欲しいと数日前直接電話してきた。取引先からの注文書は昨日入ってきたが、特殊な版で材料の手当にも時間が掛かる、その前処理とも言えるメッキも簡単にはできない。取引が盛んな頃には材料も在庫をしてあったので、比較的短納期にも応えられたが、今回ばかりは数量も少なく、材料を切り出すにもメーカーで時間が掛かる。数日前から急ぐよう頼んでおいたが娘に走ってもらうが製版が出来るのはどうしても今日の5時過ぎ頃になってしまう。
 それを昨日はどうしても今日中に入れて欲しいと何度も電話が入り、そちらから取りに来てくれれば夕方に持ち帰られると言ったが、どんなに経費が掛かっても良いから送ってくれと言う。
 それも明日の昼までに入ればと言っていたのが、朝8時に入れてくれと変わり、今日の夜11時でも12時でも良いから入れて欲しいと担当者は泣くばかりだった。とにかく遠いので宅配便では間に合わない。
 そんな時不思議なことが起こった。ある運送会社が取引してくれないかと営業の電話が入った。営業内容を案内したいのでFAX番号を教えてくれと言うので送ってもらった。その内容を見て365日間、24時間数量に関わらずいつでも対応できますと書いてあった。
 娘が早速先方に電話を入れ、兵庫県の住所を言いそこまで今日走れるかと言ったらOKだと言うではないか、こちらが困っているのを見透かしていたような偶然に驚いてしまった。「天は自ら助くるものを助く」神様がどっかから見ていたのではないかと思うぐらい助かった話になる、ツイてるとしか言い様がない。
 あの家電では大企業の担当者も喜ぶだろう。