私が10年在籍した証券会社のOB会から案内が来ていたが、当時の先輩から電話があり、私に会いたいと言う人が来るので是非会ってやって欲しいと言われた。その人と言うのは私が証券会社で初めての部下とも言える人で3年後輩だった。
 私が証券界に入った途端証券不況になり2年間新入社員を募集しなかった。私は2年の間一番下の位で寂しいもんだったが、その代わり先輩に追いつき追い越せとばかりに毎日飽きもせず歩きまくった。そのお陰でか3年後には3年、4年の先輩を凌ぐ成績を残していた。
 彼が入社した時には4年先輩として指導する立場になっていたと思うが、私の指導は厳しいものと彼には映っていたらしい。2年位は彼の上に立っていたが、その後私は相模原支店開設で転勤してしまった。
 私が退職した後、彼は私の会社に運転手付きの車で訪れてくれた。浦和支店長に出世していてその姿を見せたかったのだろう。その時一晩だけだったが何処だか忘れたがカラオケを一緒に楽しんだ事があった。 
 それ以来会うことも無かったが、先輩からの電話で彼は脳卒中を患い、そのご癌に侵されていて、最後の旅行になると思うので夫婦で京都を旅行すると言い、そのついでに関西のOB会にでるので私を呼んでおいてくれと言われたらしい。
 彼が言うのには私は言葉の端はしにまで文句を言い、うるさい先輩と思ったが私の指導のお陰で随分役に立った。そのお陰で今があると私の先輩には話していたらしい。
 そうまで言われると今回は何とかして出席しようと思わざるを得ない、今日にも出席の返信手紙をだそうと思う。彼のガンはどのくらい進行しているのか分からないが、歩く元気があるのだったら、ガンは治せる。私の言う通りに生活習慣を正せば治る可能性は十分ある。彼に会ったら厳しいが最後のアドバイスをしてみようと思う。