ポリオレフィン系の樹脂への印刷はインキの選定が難しい。特にポリエチレン樹脂製の成型物にはインキの密着がし難い。インキメーカーはポリエチレンに密着するインキをそれぞれ出しているが、これが有効なものもあるが何処のインキが良いかどうかは使ってみないと分からない。
 我が社は長年特殊印刷に関わっているので色々なインキの使い方のノウハウを持っているが、今回挑んでいるポリエチレン成型物はバケツの蓋と言っているが、凹んだ部分に大きく印刷するのでシルクスクリーンの版の特枠を作らなければならない代物だった。
 その特枠を手刷りの印刷機にセットするのにも工夫が要る。またバケツの蓋と言いながら二つ折りになってるが無理して平らにすると華奢なピンが壊れてしまう。それを保護しながら印刷が出来るようにセットする受け治具にも手がかかる。昨日の午前はその受け治具を作るのに時間を費やしてしまったが、昼近くには印刷位置を確定して印刷治具と版のセットがスムースに印刷出来る状態にはなった。
 後は使うインキの調整をしている内に北海道からアポ通りに見えてしまった。このインキは温めると印刷出来る状態にはなるが、冷めると硬くなってしまう扱いにくいインキで温度調整と溶剤選びが問題なのだが、それがどうやら上手く調整出来てまさに印刷開始しようと思う時に人が見えてしまって刷り手を娘に任せてしまった。
 扱いにくいインキだったが、娘はどうやらインキ粘度や印刷のコツを掴んだらしく、綺麗な印刷が出来ていた。この手の印刷に自信を持つことが出来たらしい、疲れたらしいが晴れ晴れした顔を見てホッとした。難しい仕事を克服すると楽しいもんだが、今日も残った印刷をしてくれるだろう。
 北海道から見えた方は、プラスチック粘土を使っての受け治具の作り方、「どこでもくん」の使用方法、それに「ころまるくん」を見たかったらしい。「ころまるくん」は時間がないので次の機会にしてもらった。ビッグサイトの「ギフトショー」を見に来たついでに我が社に来たらしい。