昨日お見えになった方は箸屋さんだった。同じ箸屋さんから「なんでもくん」を紹介されたらしい、昨日はたっぷり時間を作って来られたようで「なんでもくん」のみならず「じざいくん」の研修まで受けて帰られた。パッド印刷の版が6,7分で直ぐ出来、シルクスクリーンの版も同じライトボックスを使って、感光液を塗布する事から始まり、ドライヤーで乾燥し、焼き付け、現像まで含めても20分もかからない。それを私が開発したシルクスクリーンホルダー「じざいくん」にセットし桐箱に印刷するのに1分も掛からないのには驚いていた。
 自社にはシルクスクリーンの印刷機が有るらしく、版は製版屋に依頼しているが数日掛かっているらしい。それが我が社が提供するシルクスクリーン枠に感光液を塗り、遮光袋などで保管して置けば、ほんの5,6分露光して水で洗い出せば10分も掛からないで印刷を開始することが出来てしまう。
 パッド印刷の版も社内で出来、しかもオフセット印刷並みの写真印刷まで出来るのだから驚いたに違いない。箸に写真を印刷してあるのなど見たことも無いと思うが「なんでもくん」だったらいとも簡単に印刷が出来てしまう。そんなことを目の前でやって見せたのだから驚いたに違いない。今度工場長を連れて改めて研修を受けにくるのでよろしくお願いしますと言って帰られた。
 今日は半年に及ぶ「あだち新製品開発講座」のセミナーを受けた企業の製品発表会がある。ある意味卒業式と言っても良いだろう。区の産業経済部長やその他の関係者が集まり、修了書を授与する。この講座で開発された新製品は17点ほどあり、ほとんどがTASKものづくり大賞」に応募している。昨年度までの卒業生の作品まで入れると私の3品も含めて講座がらみの出展数は二十をはるかに超えている。
 台東、荒川、足立、墨田、葛飾の五区の出品数が80ほどだから、この講座から生まれ出た製品は3割を超えている。講座外の出展数を加えると40点以上が足立製品だと言うことになり、今年度も入選作品は圧倒的に足立区のものが多いだろう。
 この講座を通じて得られたものは大きい、得意先からの注文でものをつくっていたに過ぎないところが自ら考え出した製品を直接消費者に売ることが出来るようになり、脱下請けが可能になる。この講座を受けた人たちは皆それまでとは違い、ものづくりに主体性を持ち、考え続ける習性を身に付けることになる。この習性が大きな変化をもたらすことになる。今、消費者が何を求め何を必要としているかを考えるようになり、時代の変化に伴ったものづくりが出来るようになる。
 初めはこの人は大丈夫かなと思わせるような人が結果は凄いものを創りだしてしまう。「脳に悪い7つの習慣」を捨て主体性を持った発想が出来るようになった人も居る。こんな楽しい講座が今日で終わるとなると淋しいよりホッとする。入選者が多ければ来年のイベントでまた会うことが出来る。TASKの入選発表が待ち遠しい。