人間は自分で出来ること以外頭に浮かばない、出来ない事自体を考えることはしない、だから頭に浮かんだことや考えたことは何でもできてしまう、と何等かの本で読んだことがある。だから月に行くと考えた人たちが月に行ってしまった。出来ないと言うことはやらないから出来ないに過ぎない。だから出来ないと言うマイナス思考が出来なくしているだけだと私は思うようになった。やろうと思えば何だって出来る、やらないから出来ないに過ぎないと思うようになった。
 昨日来た4人の人たちは会社の創始者の会長と常務取締役と、何日だか前に5人で来て「なんでもくん」研修に来た内の2人だった。会長は40年前に会社を起こし印刷業としてはそれなりに成功していた人だった。それが今、会社を挙げて違った方向へ踏み出そうとしている。5人の熱心な社員が来て、今度は会社の役員を引っ張り出して「なんでもくん」の素晴らしさを見せたくてやって来たらしい。事前に話は十分聞いていたのだろう、嬉しそうな表情で私と名刺交換をした。我が社で今までやった印刷の数々を見てあれも出来るこれも出来ると納得したようだった。
 会長は今年75歳だと言うが元気そうな方だったので、私は「幸せを呼ぶ 長寿石」と原稿を作り、それを安っぽい石だがそれに印刷することでレクチャーした。社員が印刷して、これは会長のため、これは誰のためとか言いながら何個か印刷していた。その微笑ましい光景は見ていて清々しい、経営者と社員が一体となって楽しんでいる。
 会長は身内の後継者はいないらしいが、若い社員たちに自分の会社を残してゆきたいと言う思いから新しい方向へ踏み出そうとしているとも話していた。経営基盤がしっかりしている内に皆でやろうと決断したのだから何だって出来る、この会社は必ず第二の出発で成功するだろうと思わされた。自分の会社に必要だと思うもの全ての見積書を作ってくれと言って、社員共々和気あいあいの雰囲気で帰って行った。それを見送る私は、よくぞお出で頂いたと言う感謝の気持ちと自分が役に立ったと言う事で一番の幸せを感じてしまった。