少量多品種の仕事が増えるばかり、最近はシルクスクリーンの半自動印刷機を使うことがなくなってしまった。ほとんどが手刷りで済ましてしまう。少ない量と大きさや形がまちまちの物が多く機械にセットして調子だしをする間がもったいない。機械にセットアップできるような大きさのものが少ないこともある。印刷しにくい表面 昨日も表面がイボイボのアタッシュケース全面近くにロゴ印刷をしたいと言うニーズがあった。パッド印刷でもさすがに入りにくいし面積も大きすぎて無理がある。持って見えたときシャープな印刷は無理だといって断った。それでもどの程度の印刷が出来るか試して欲しいと送ってきてしまった。試すにも版代はかかるし経費もいただかなくてはならないと言ったが、それでもやってみて欲しいと言うので良いものになるはずもないと思いながらも試してみた。
それなりに印刷したが画線は小さなイボに沿ったギザギザなものになってしまう。イボとイボの間をインキで埋め尽くすまでかなりの手間がかかる。それなりのテクニックも必要になる。
BlogPaint 黒い表紙の手帳のコバ全てを黒くべた印刷して欲しいと言うのもあった。数日前に50冊ほど試作的にやったのを見て気に入ったのだろう。1000冊ほど是非やって欲しいと言われたが、これなども裁断がきちんと出来ていないので手加減がものを言う。手間のかかる仕事になってしまう、このために連休をほとんど使ってしまった。印刷冶具を作るのが決め手になってしまう。全てが寸法どおりになっていれば簡単だが、それが正確にはまちまちと言ったところが厄介な仕事にさせている。1000冊と言っても3000工程になる工夫しながら乾燥したりして終えたが、終わってみれば黒いオシャレな製品になっている。
 昨日も終りしなに黒い年賀はがきを作りたいと言うところから電話があった。表は住所、会社名を印刷し裏は黒の総ベタで黒の印刷をして欲しいと言う。しかも一部は赤を表現して欲しいと言う。かなり経費の掛かるものになるが、それでも何とかして欲しいと言う。おまけに仕上がりは30日ごろになると言ったがそれでもやって欲しいと言う。黒が持つシックな感触がオシャレを演ずるのかもしれない。「TASKものづくり大賞」に黒い手帳を出品をしていた人があった。黒は高級感も感じさせる。昔から黒漆の漆器などは高級なものとして日常化していたからだろうか、今度黒漆の上につや消しの黒で印刷してみたいような衝動を覚える。
 世の中のニーズはそれこそてんでんこ、そのてんでんこに対応することが出来るかどうかが今は仕事がある仕事が無いかになってしまっている。今やてんでんこな時代になってしまっているかのよう感じる。てんでんこに逃げたから今度の震災でも助かった人たちが大勢いる。助かった人たちが集まってまた次の新しい時代をつくってゆくのだろう。良いか悪いかは別としてどんな時代になってゆくかと言う楽しい思いもある。