無地の茶さじと湯呑名入れした茶さじと湯呑 昨日は木製の茶さじと湯呑に印刷して見た。預かったものに勝手に版をつくって印刷したのだが、数分で出来てしまうのだから面白い。木製の食器にもたまには名入れの要求が有るそうだ。印刷してあるのと無いのでは品物のイメージが随分違ったものになる。見えないところにさりげなく製作所名が入っていれば商品の信頼性がグッと高まることにもなる。今回は湯呑に有り版の家紋を金で印刷したが、センスの良いデザイン画などが印刷してあればより製品の付加価値が上がることになるだろう。
 昔から木製品にはよく焼き印や箔押しのものをよく見かける。焼き印は金属の凸版を作って焼き鏝のようにして押すので結構難しい。フリーハンドで押しそこなうと商品が駄目になってしまうリスクは大きい。ましてアール面に押すのは無理と言っても良い、それに凸版を作るにはそれなりの経費が掛る。
 箔押しも同じように凸版をつくらねばならない、やはり曲面などに箔押しするには厄介なことになる。時々化粧筆に箔押ししてあるのを見るが使っている内に箔が直ぐ減り去ってしまうだろう。
 その点我が社ではある有名ブランドの化粧品会社の化粧筆に何年も印刷しているものが有る。これは特別仕様のUVインキで印刷しているので10年使っても剥げ落ちることは無い。UVインキを使うまでも無く二液性のエポキシインキで印刷したものもいずれは落ちてしまうかもしれないが結構長い間保つ。
 「なんでもくん」用の樹脂版でのパッド印刷はアール面にもパッドがフィットするので手軽に印刷できる、印刷しそこなってもアルコールで拭き直しが出来るので不良品を出す事が無い。
 昨日の午後はシアター千住の売り場に線香を持って行った。その売り場は何かしらの公演が有る時だけ出ている店で、当初は異業種連絡協議会のアンテナショップとして開設されたものだった。売り場を管理しているのは女性グループの元風大地の会長だった方と元会長の会社の社員だった女性と二人で店番している。女性の年をバラてしまうには忍びないが八〇歳を超えているとは思えない、自家用車を駆して何処にでも行く元気を持っている。満州から無害列車に乗りコロ島を経て引き揚げてきた経験も有り、話題が豊富な昭和人の逞しさと高女出の教養をしっかり持っている。亀戸生まれの下町的な気風も持っていて話していると時間を忘れる。
 元社員の方は今「あだち新製品開発講座」に参加している、自分で開発した外反母趾用の靴下「足楽っくん」を店で売っている。何にでも関心を持つ柔軟な頭脳を持っている方で、さらなる外反母趾用のグッズを考えだしている。昨日は大塚講師を呼びだして売り場が講座の延長線になってしまった。一定の開発路線が決まり、その後の飲みどころ開拓に大塚講師と千住の飲み屋街へ向かった。
 暑さしのぎの為か何処も人が入っている、狭い横町の飲み屋で賑やかな店に入った。安さが売り物なのかもしれない、そこでビールを酌み交わしながら将来の夢を話をしていると時間が直ぐ過ぎてしまう。
 かくして三連休も終わったが最後に癒された。暑くてどこに行くことも無かったがやはり仕事に追われている方が性にあっているらしい。