この土日は今までやった事の無いものを何点かやった。技術開発もあり、新製品開発と言えるものも有った。一つにはあまりにも小さなデータでプリンターでは出力できないものがあった。結局は工業写真屋で出力しなければポジフィルムが出来ないようなもので、フィルムを手にした時版が出来るかどうか分からなかった。一度目の製版はみごと失敗、小さな埃がフィルムに着いていたのに気がつかなくその影響がすっかり印刷に出てしまった。
 二度目の製版は気を使ってやったので成功した。印刷も綺麗にフィルム通りに出来た。百倍の顕微鏡で見たらポジフィルムと同じ印影がキチット出ていた。10ミクロンほどの印影がキチット印刷出来るのだからパッド印刷と言うのは凄い、こんな時パッド印刷をやっていて良かったと思う。この画像が出来るかどうか一番期待しているのは依頼先で、これが出来るとなるとその会社の事業が新しい展開をする事になる。今日それを報告するのだがそんな時が一番鼻が高くなる。
 もう1点は既製の紙風船に印刷が出来ないかとの依頼だった。紙風船と言っても油紙だと言う、何処だかで印刷をしたらインキが着かないとの事だった。現物が届いたので見てみたら一見油紙の様だが、ポリオレフィン系の薄いフィルムの様で表面処理をしてインキを乗せたらインキは密着するのが分かった。何処だかの印刷所はインキが乗らないので油紙だと思ったのだろう、我が社の様に色々な経験があるかどうかの違いがある。
 それより紙風船を半分に折った半円状に印刷しなければならないので土台に大き目のお椀を伏せたような受け冶具が必要だった。丁度我が社に大き目の丼に近いお椀があったのでその糸底を削ってその上にプラスチック粘土で紙風船が乗るように成型した。そして印刷したら見事に印刷が出来た。これも今日無事印刷が出来ることを報告する、喜ぶだろうと思う。
 もう一点は一昨日から昨日に持ちこされてしまった。特殊な版を製版屋に頼みテストしたが思惑のようにはいかなかった。プラスチックの加工屋に印刷冶具を電話で依頼し、昨日の朝寄って引き取り、勇躍して取り掛かったがこれも失敗。版の作り方を変更すれば何とかなりそうだが新しい発見も有った。これが成功すると我が社の重要な収入源になる、こればかしは何としてもものしなければならない。
 もう一点はシリコンゴムの様なもので成型した菅笠の様な形の物への印刷だったが今日に持ち越してしまった。これも印刷インキが密着するかどうかのもので、これは問題ないと思うが昨日やってしまえばよかったと反省している。夕方からの住宅の新年会があったので少しの時間を惜しんでしまった。
 今週は四国のLEDで世界的に有名になった会社の技術者が来る。これは少し難敵で予断が許されるものではない。
 今このブログを書いている時間は16年前に阪神大震災があった。その時はブログを書く事など予想もしてなかったが起きてテレビを見ていた。6000人もの犠牲者が出ているなど想像もできない出来事だった。被災者の中には知己も居たが無事だった。この時から我が社も重大な局面を迎えることになったので忘れることが出来ない。メインとも言える一仕事が消えてしまったのだから大変な出来事だった。犠牲になった方々には哀悼の意を送るしかない、黙とうを一緒にした。
 それにしても16年などあっと言う間の様な気がする、これから16年も生きているかどうか分からないが大事に生きて行くしかない。