今日は8時には会社を出て流通センターの倉庫でパソコンにロゴ印刷をしてくる。同行する青年もだいぶ慣れたろうと思う。今日を含めてあと4回の出張印刷になる。午前中に250台のノートパソコンに印刷する予定だが11時過ぎには終わるだろう。
 印刷には全くの素人の彼に少しづつ印刷体験をしてもらっているが、自分で印刷したものが充分社会に通じるものになっている事を如何感じるかが重要なことだと思っている。
 自分の仕事と感じ取るか人の仕事の手伝いくらいにしか感じないかが大きな分かれ道と言っても差支えが無いだろう。そこで何を学ぶかが重要な時で五木寛之さんの言うインド哲学的には学生期で次の家住期を迎えるのに一番重要な時期だと思う。
 将来的には家庭を持ち子供を育てる時期が来る、その時の為に真剣に学ばなければならない時期だと思う。貪欲に多くを学ばなければならない時に親に言われたから渋々来ているのか、自ら何かを得ようとして来ているのかが今のところ分からない。豊かに育っているせいか貪欲さを感じられない、かと思うと物凄く気が利いていると思わせる場面もある。母親が具合が悪いからと言ってソクサク帰るのは心が優しいためかひ弱さなのか今どきの若者は私らのように泥まみれに育った者には理解できないところもある。
 いずれにしてもこれで将来女房子供くらい食わせていけると言うものを持ってもらいたい。その為にはもう少し仕事に対する貪欲さがあっても良いのではないかと思う。私の林住期もそうは長くない、少しでもこの子の役に立ってほしいと思っている。
 昨日も区の教育委員会の人達に会った、そこで「足立ブランド」認定企業が足立区の子供らの教育に役立つ方法はないかを検討しあうことになった。私が子供の頃に大人のものづくりを見てものづくりの面白さを知ったように何人かの子でもよいから私達の仕事を見て育ってほしい。
 今日は午後から京都の人が来る、「なんでもくん」の研修だけでなく京都と言う土地柄からして寺が多い、その寺で私の造っている「焚経香」が役に立たないかと言う話でも来る。いずれにしても自分の創った物に最大の関心を持ってくれている、こんな嬉しいことはない。
 だから面白くてものづくりは止められない、私の遊行期はますます遠くなってしまうかも知れない。