昨日ご夫婦で来客した方たちはこの10年ネットで商売をしているとのことだった。それこそパソコンの名人と言っても良い人だった、脱サラしてサイトを経営している人達でネット生活にどっぷり浸かっている。ネットでの生き方に習熟しているので何かと相談し易い人達のように窺えた。
 来るなり「焚経香」に目をつけた、これは絶対ネットで売れると言い、卸して欲しいと言うので供給する約束をした。それと私が開発していた香炉にも目を付けてくれてこれも販売すると言う、実にありがたい。この香炉は「安心香炉」と名づけ、線香を横に置いて焚くので燃えた灰がネットの下に落ちる。百本以上燃やしても香炉を掃除する必要のない物で私は10年以上使っている。
 私は20年以上前に先妻を失っている、健気に毎日仏壇に線香をあげていた。部屋が狭いので小さな仏壇で香炉も小さなものだった。毎日3本あげていると燃えさしが残っていてすぐ線香が立たなくなってしまった。灰をフルイにかけて週に一度位は清掃しなければならない、それと灰が香炉の外にこぼれて仏壇が灰で散らかるのでそれも清掃しなければならない。その頃上の娘達は手が掛からないくらいになっていたが、下の娘は未だ小学生1年で手が掛かる。食事の支度や何やかやで時間が欲しい、そんな時に思いついたのが今の「安心香炉」だった。
 実験的に創って試したところ実に爽快だった、香炉の掃除と仏壇の清掃から開放された。これは商品になると思い川口にツテを求めてアルミ鋳物で作ってみた、それで出来たのが安心香炉「清新」だった。それを浅草の仏具屋さんに見せたところある宗教団体でまとめて注文が出たといってかなり出荷したことがあった。
 当社に来社した人達もそれを見ると家に年寄りがいるので安心して線香をあげてもらえるといい購入していく人達が結構居た。このところ「なんでもくん」で忙しくその香炉の存在を忘れていた。これはネットで販売出来ると言われ多少在庫があるので販売をお願いすることにした。デッドストックになっていたかのようなものが突如舞台に上がってきたようで嬉しくなってしまう。
 この方達もネットで我が社を見つけて来社してくれた。そして持って見えた物に「なんでもくん」で石やプラスチック製のもの、皮にも印刷して見た。勿論自分の欲しい小さな文字をパソコンでデータ自分で作り印刷して見た。これはいけると注文してくれたがネットがこの人達を足立区にいざなってくれたことになる。だから私は未来クラブのメンバーにもネットを活用することをすすめている。