昨年東京都中小企業振興公社主催の「売れる商品(製品)デザイン創造塾」に参加して発想技法やリ・デザインを学んだ。「ころまるくん」は曲面印刷機というと120万円〜180万円位する半自動曲面印刷機をリ・デザインした物である。
 
 かつて曲面印刷機を使って散々仕事をしたことがある、但しその機械は大手電機会社から貸与されていた物で、ある仕事が終焉したことで引き上げられてしまい、当社には曲面印刷機がなくなってしまった。曲面印刷はめったに注文が無いので大して不便を感じなくなっていました、が時折まとまった注文が出ることがある。曲面印刷機を購入しても償却できるほどのものでもない、そこで思い出したのが私の亡くなった兄が以前勤めていた時手刷りの装置でやっていたと言うのを思い出し、手刷りの装置を機械屋に頼み処理したことがあった。

 デザイン創造塾に通っていた時にふとこれを商品化できないかと考え付いた、まさしく曲面印刷機のり・デザインだった。最初は金属加工で作る事を考えたが手刷り用でも2,30万円してしまう。この時期2,30万円の償却だってなかなか難しい、機械屋に試作してもらったがそれなりの金額が掛かった、開発費としては負担が大きい、家内にいつも無駄遣いすると言って愚痴られる。自分でドイトにいって材木や金属部品を購入して何台も色々な機械を作っているので一層木造で造って販売しようと決心した。近くにかねてから親交のある木工屋さんがあるので相談してみたところ、大きさから言ってもこれは廃材で出来ることが分った。廃材を利用するということは今ある3R政策のリユースになるではないかと気がついた。まさに今日的なテーマにぴったりではないかと思い、ことしの足立区環境課の3Rフェアに出品できるんではないかと思われる。私は足立区環境フォーラムの委員でもある。

 ツイている時は不思議な物でステンレスのプレス製品に印刷を依頼に来たところが金属部品を造ったり、既製部品の代理店も遣っているところだった。私が用意しなければならない物が全てそこで賄える。月曜日には金属部品は揃う、後は木工部が出来るのを待つばかり、早く組み立ててみたくて心が逸る。
 
 豊田佐吉翁は西洋製の金属機械をみて親が大工だったことから木鉄混製の「豊田式木製織機」を発売した。色々な木製の機械を開発したことを小学校の時に教科書で教わったことがある。
 豊田佐吉翁とは比べるべくも無いが、木を使って作れる物は数多くある、リ・デザインできるものは数限りなくあるような気がしてくるから不思議だ、リユースして商品を作り出すことに物凄く意欲がわいて来た、デザイン創造塾卒業の成果ではないかな?