波乱の9月が終り激動の10月が始まった。シティビジョンで「未来クラブ」共々「なんでもくん」の紹介とギフトショーでの異常と思えるほどの反響から始まった9月は我が人生の折り返し点を意識させるような毎日だった。これほど多方面に忙しかった月は無いと思うほど色々な諸行が私を翻弄した、どれもこれも充分こなしたとは言いがたい、しかしこれほど幸せを感じた月は無い。自分の存在が確認できるほど幸せなことは無いのではないかと思われる。私でなかったら絶対出来っこないと自負できることが多かった。と有頂天になる気分をいっぺんに吹き飛ばされるような事件が昨夜あった。自分の小さを痛感する、こんな人になりたいなあと思わせる人と一緒に飲めた。
 人と人のつながりの妙を感じさせてくれた。以前足立の新国際人と紹介したこともある女性だがこれほど不思議な人にめぐり合ったことは無い、私が毎日のように飲みに行く「クジナ」のママだが、自分ひとりで店を切り盛りしていたのに自分の幼友達夫婦に任せてこのところ姿を見せずどうなっているのか不安視していた。昨夜遅くにいつも見る割烹服とはと違って黒を主体としたコスチュームと元々美形な顔立ちなので別人を思わせるようないでだちであらわれた、身につけている装身具も半端なものではない。客として登場し結局は私たち夫婦に酒を振舞った。
 この人は店を3000万円くらい掛け、この4月に店をオープンし、何をやっても流行らなかったところで開業し、少しずつ私らを含め固定客が増えてきていた。その店をなんと幼友達夫婦に居抜きで貸したのだ。それも家賃13万円という破格の家賃でだ、権利だ保障だという事も全く無く、昨日までやっている状態、冷蔵庫にある食材からテーブルにある爪楊枝までそのまま貸し与えてしまった。この幼友達と来日し、その経緯を聞いた事があるがここに来るまでの話しを聞いたら時の経つのを忘れさせるほど面白い。その友達が苦難に立ち向かっているのを知り、自分が苦労をして作ったものをポンと譲り渡してしまう、いくら金持ちだといいながら中々出来ることではない。この夫婦も亭主が何でも美味く食べさせるのでこの後も繁盛させると思う、頑張って欲しい。楽しく飲んだり食ったりした挙句おごってもらってしまった。
 今未だ少し酒が残っている感じだが今日は「中学生ものづくりフェスタ」に出なくてはならない、「なんでもくん」を出荷しなけれがならない、二日酔いしている場合ではない。